1. 2025年は「AIエージェント元年」と言われているけれど
2025年は「AIエージェント元年」になる。
そんな言葉を、今年の後半からよく耳にするようになりました。
実際、各社がエージェント的な機能を続々と発表しています。
GoogleはWorkspace Studio(旧Flows)をリリースし、つい先日にはDiscoを公開。
OpenAIは「Atlas」、Perplexityは「Comet」というAIブラウザを出してきました。
ただ、正直なところ2025年はまだ「触り」だと思っています。
本格的にAIエージェントが業務に浸透するのは、2026年以降でしょう。
だからこそ、今のうちに備えておく意味があります。
この記事では、AIエージェント時代に向けて「年末に整理しておきたい営業業務」を整理します。
2. AIエージェントとは何か(ざっくり)
技術的な定義は専門家に譲るとして、営業現場の感覚で言えばこうです。
従来のAI:聞かれたことに答える
エージェント:自分で判断して動く、ツールを使う、次のアクションを起こす
イメージとしては「優秀な新人が、指示を受けて複数のツールを使いこなしながら仕事を進めてくれる」という感じでしょうか。
「このリードに対して、過去のやり取りを確認して、適切なフォローメールを作成して、カレンダーで空き時間を見つけて、アポの候補日を提案して」
こういった一連の流れを、人間が逐一指示しなくても自律的に進めてくれる。
それがAIエージェントの目指す姿です。
もちろん、現時点ではタスクの自動引き渡しはある程度できるものの、まだまだ発展途上。
でも「いずれそうなる」という前提で、今から準備しておくことはできます。
3. エージェントが得意なこと/苦手なこと
AIエージェントに仕事を任せるなら、得意・不得意を把握しておく必要があります。
得意なこと
- 定型的な手順:毎回同じ流れで進む作業
- ルールが明確な判断:「〇〇の場合は△△する」と決まっているもの
- データの転記・集約:複数ソースから情報を集めて整理
- 定期的な繰り返し作業:日次・週次で発生するルーティン
苦手なこと
- 曖昧な状況判断:「なんとなくこっちのほうがいい」系
- 人間関係の機微:相手の感情や政治的な配慮
- 例外対応:想定外の事態への臨機応変な対処
- 「空気を読む」系:言語化されていない暗黙のルール
この得意・不得意を踏まえて、今のうちに業務を整理しておきましょう。
4. 今のうちに整理すべき3つの領域
① 定型化できる業務の洗い出し
まずは「毎回同じ手順でやっていること」をリストアップしてみてください。
- 日報・週報の作成
- 営業リストの更新
- 定例メールの送信(お礼、フォローアップ、リマインド)
- 商談後の情報入力
- 見積書の作成(テンプレートベース)
こういった業務は、エージェントがもっとも得意とする領域です。
「自分でやったほうが早い」と思っていても、一度リストにしてみる価値はあります。
② 判断基準の言語化
次に、「なんとなく」でやっている判断を言葉にしてみてください。
- リードの優先順位、どう決めている?
- 見積の値引き、どこまでOKにしている?
- アポを受けるかどうか、何で判断している?
- 提案書のトーン、相手によってどう変えている?
「経験でわかる」「ケースバイケース」で片付けているものほど、言語化する価値があります。
言語化できていないと、AIには引き継げません。
逆に言えば、言語化できれば、かなりの部分をAIに任せられるようになります。
③ データ・ファイルの整理
AIエージェントは、人間の代わりにファイルを探したり、データを参照したりします。
でも「あの資料どこだっけ」状態では、AIも見つけられません。
- ファイル名の命名規則を決める
- フォルダ構成を整理する
- 古いファイルをアーカイブする
- よく使う資料の場所を明確にする
地味ですが、これをやっておくかどうかで、エージェントの使い勝手が大きく変わります。
5. 「人間がやるべき」と決めておくこと
業務を整理していくと、「これはAIに任せられそう」と「これは人間がやるべき」の境界が見えてきます。
エージェントが普及するほど、「人間がやる領域」の価値は上がります。
だからこそ、今のうちに「これは自分がやる」と決めておくことも大事です。
例外判断・イレギュラー対応
ルール外のことを決める。
想定外の事態に対処する。
これは当面、人間の仕事です。
関係構築・信頼醸成
人と人の「間」を作る仕事。
効率化とは別の軸で価値が生まれる領域です。
創造的な提案
課題を解くのではなく、課題設定そのものを変える。
「そもそも何を目指すべきか」を考える仕事です。
最終意思決定
責任を取る。
判断の結果を引き受ける。
これはAIには代替できません。
6. ただし「壁打ちもせずに人間の領域」は危険信号
ここまで読んで「なるほど、じゃあ自分の仕事の大半は人間がやるべき領域だな」と思った方、ちょっと待ってください。
今年、AIが広めた概念の筆頭が「壁打ち」です。
「これはAIには無理だろう」と決めつける前に、一度AIにぶつけてみましたか?
「ケースバイケースだから人間がやるしかない」
「状況判断が必要だから自動化できない」
「経験がないとわからない」
こう言いたくなる業務、確かにあります。
でもそれ、本当に試してみましたか?
試した結果「やっぱり現実的じゃない」となれば、それは正当な判断です。
試さずに「人間の仕事」と決めつけるのは、ただの思考停止です。
実際、Alrightでも「原稿を御三家(ChatGPT・Claude・Gemini)でオーケストレーションしながら書けないか」を約1年に渡り試行錯誤してきました。
結果は「各LLMへの頻繁な定義の変更や各LLM自体のアップデートにより、文脈の受け渡しコストが高すぎて非現実的」という結論でした。
でも、だからこそ「原稿の特性ごとにLLMの分担を臨機応変に見極め、最終的に仕上げるという人間の価値」が明確になりました。
LLMのアップデートやワークフローの見直しごとに毎回壁打ちをしたから、自分たちの仕事の意味を再定義できたわけです。
「ファジーだから人間」は、整理を怠っている言い訳になっていないか。
属人化している理由を「難しいから」で片付けていないか。
AIが来る・来ないに関係なく、それは組織として健全ではありません。
7. 2025年に向けての準備チェックリスト
年末年始、少し時間が取れるタイミングで、以下を試してみてください。
- □ 定型業務を3つ以上リストアップした
- □ 「なんとなく判断」を1つ以上言語化してみた
- □ よく使うファイル・フォルダの整理を始めた
- □ 「これは自分がやる」と決めた領域がある
- □ 「人間の領域」と思っていた業務を、1つAIと壁打ちしてみた
全部やる必要はありません。
1つでも手をつければ、2025年のスタートが変わります。
AIエージェント元年。
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