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NotebookLM Deep Research活用術|Gemini本体との決定的な違いは「情報を飼う」こと

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1. 「あれ?それ、Geminiでやればよくない?」という真っ当な疑問

2025年11月、NotebookLMに待望の機能が追加されました。
Deep Research(ディープリサーチ)」です。
「自分の代わりに数十分かけてネットの海を深掘りし、詳細なレポートを書いてくれる」という、あの強力な機能です。

ここで、Gemini Advanced(有料版)を使いこなしている感度の高い方ならこう思うはずです。
え、Gemini本体でやればよくない?わざわざNotebookLMでやる意味ある?

結論から言うと「使うべきです」。
むしろ、BtoB営業が本当にやりたかった「競合分析」や「提案根拠作り」は、Gemini本体よりも現時点ではNotebookLMの方が向いています。

今回は、単なる機能紹介ではありません。
GoogleがNotebookLMという「実験場(Labs)」を通じて私たちに見せている「未来のAIとの働き方」について、実務的なメリットと共に解説します。

2. 現時点でのGeminiは「フロー」、NotebookLMは「ストック」

なぜNotebookLMなのか。
その最大の理由は、情報の扱い方が根本的に違うからです。

Gemini本体の弱点:文脈(コンテキスト)が流れる

Geminiとのチャットは、基本的に「フロー(流れ)」です。
素晴らしいリサーチ結果が出ても、新しい話題に移ればログは彼方に流れていきます。
基本的にGemini本体のUIは、壁打ちやタスクを完結させるような業務に向いています。

「先週調べた競合のデータを踏まえて、今回の提案書を書いて」と頼むには、またそのデータを貼り直したり、スレッドを探し回ったりする必要があるわけです。

NotebookLMの強み:文脈が固定される(ストック)

一方、NotebookLMは「ソース(情報源)」を固定できます。
今回追加されたDeep Researchの結果は、単なるチャットの回答ではなく、「1つのソースファイル」として保存されます。

これが何を意味するか?
「社内の固定ルール(ガイドライン)」と「最新の外部情報(Deep Research)」を、同じプロジェクトフォルダに放り込んで、いつでも引き出せる状態(資産)にできるということです。

3. 実践:「社内資料」 × 「外部リサーチ」の化学反応を起こす

では、実際に営業現場でどう使うのか。
「Geminiだけ」では実現しにくい、内部情報と外部情報の統合(Grounding)を試してみます。

シナリオ

自社のSaaS製品を提案したいが、競合他社Aが最近大幅なアップデートを行ったらしい。
自社の強み(内部)」と「競合の最新状況(外部)」をぶつけて、勝てるトークを作りたい。

STEP 1:社内資料(内部ソース)をアップロード

まず、NotebookLMに以下のファイルを読み込ませます。
これが「動かない判断基準」になります。

  • 自社製品カタログ.pdf
  • 営業トークスクリプト_ver2.pdf
  • (重要)「こういう提案はNG」という営業ガイドライン

STEP 2:Deep Researchで競合(外部ソース)を調査

ここで新機能を使います。
左側のウェブで新しいソースを検索部分から「ウェブ」→「Deep Research」を選択。

NotebookLM Deep Research 画面

プロンプト例

競合製品『○○』について調査してください。

特に2024年後半のアップデート内容、価格改定の詳細、およびユーザーレビューで見られる『不満点』を重点的に掘り下げてください。

Deep Researchは検索負荷が高く、待ち時間も発生します。
初手で満足のいく出力を得るためには、「期間」や「視点」などを事前に明示するようにしましょう。

NotebookLMは数分かけてWebを探索し、レポートを作成して「ソース」として保存します。
Gemini本体ならここで「会話」として終わるところですが、NotebookLMではこれが「資料」として残ります

STEP 3:両者を戦わせて「勝ちパターン」を出力

これで準備完了です。
「社内資料」の隣に、「最新の競合調査レポート」が並びました。

では中央のチャット欄に以下のようにプロンプトを打ち込みます。

プロンプト例

ソースに追加された『競合調査レポート』のユーザーの不満点(特にサポート面)に対して、ソースにある『自社製品カタログ』のどの機能をぶつければ効果的ですか?

『営業トークスクリプト』のトーンに合わせて、具体的なカウンターセールストークを作成してください。

結果:精度の次元が違う

出力されたのは、ネットの一般論ではなく、文脈を完全に理解したトークとなります。

  • 競合情報(外部):「A社はチャットボット対応のみになり、電話サポートが廃止された」
  • 自社情報(内部):「弊社は専任担当制」
  • 生成結果:「○○様、A社様は最近電話窓口を廃止されたようですが、弊社のプランでは専任担当が直通で繋がります。導入初期の不安な時期こそ、声でのサポートが必要ではありませんか?」

「調べた情報」と「手持ちの情報」をセットで保存し、噛み合わせる
この体験こそが、NotebookLMを使う理由です。

4. なぜ今、「Labs(実験場)」を使う必要があるのか?

ここで少し視座を上げてみましょう。
NotebookLMは「Google Labs」、つまり実験的なプロダクトに位置づけられています。
少し乱暴な言い方をすると、Gemini本体やスプシ、Chromeといったプロダクトとは、立ち位置が異なるわけです。

どうせそのうち、Gemini本体にも『プロジェクト機能』がついて同じことができるようになるんでしょ?

では、なぜ今NotebookLMを使うのか?

それは、「AIに資料を持たせて(RAG)、文脈の中で仕事をさせる」という作法を身につけるためなのです。

Geminiユーザーが見落としがちな「プロジェクト」の概念

ChatGPTやClaudeの上級ユーザーは、すでに「プロジェクト(Projects)」機能を使って、「特定の目的のために資料をセットし、その中だけで回答させる」という使い方をしています。

一方、Gemini(チャットのみ)しか使っていないと、「毎回プロンプトで全部説明する」「ファイルはその都度アップロードする」という、非効率な「フロー型」のAI活用から抜け出せません。

NotebookLMは、未来のGeminiに実装されるであろう「プロジェクト単位でのAI活用」を、もっとも洗練されたUIで先行体験できる場所なのです。

5. とはいえ、万能とはいえないNotebookLM

NotebookLMのアウトプットは、あくまで「メモ」や「回答」です。

Deep Researchの結果を使って、かつ推論を重ねて優れた構成力を発揮するのは、Gemini本体(Advanced)です。
また、NotebookLMにスライド資料作成やインフォグラフィックの機能も実装されましたが、GeminiのCanvas機能でも十分代用は可能です。

目的を同じくする社内外の調査データを1つにまとめておく分かりやすい保管庫、そのUIをGoogleが試験的に提供している場と捉えて、賢く使っていきましょう。

6. まとめ:情報は「探す」時代から「飼う」時代へ

Deep ResearchがNotebookLMに入ったことで、私たちは「外部の最新情報」を「自分のプロジェクトルーム」に連れてきて、飼い慣らすことができるようになりました。

  • Gemini本体:優秀な秘書との立ち話(フロー)
  • NotebookLM:資料を広げた作戦会議室(ストック)

この使い分けができるようになると、営業のリサーチ業務は劇的に変わります。

将来、Geminiが進化してこれらが統合された時、NotebookLMで「文脈を作る」トレーニングを積んだあなたは、誰よりもAIを使いこなせるようになっているはずです。

まずは、散らばっている「営業マニュアル」と「競合のWeb情報」を、NotebookLMという1つの箱に入れてみてください。そこから生まれる化学反応に、きっと驚くはずです。

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