1. 「中小零細企業の見込みにDeep Researchって微妙なんだよなぁ…」という営業の声
営業担当者なら誰しも経験がある、前日の夜や当日朝の「商談準備が間に合ってない」パニック。
もっとも困るのが
「普段チェックしているWeb上には新しい情報が何もなくてネタに困る」
というケースです。
大企業であれば、
- IRのプレスリリース
- 決算情報
- 経営陣のインタビュー記事
- 業界誌の特集
など、Google検索すれば情報が山ほど出てきます。
ところが、中小零細企業の場合、
- 会社概要ページがあるだけ
- プレスリリースは年1回あるかないか
- 経営陣のインタビューなど皆無
- SNSもほとんど更新されていない
というケースがほとんどです。
「Google検索しても、何も出てこない…」
こうなると、営業担当者は、
- 過去のメールを1通1通読み返す(30分)
- 社内の古い資料をフォルダから探す(20分)
- 「確か前回の商談で、こんなこと言ってたな…」と記憶を頼りに準備する
という、非常に非効率な準備を余儀なくされます。
しかも、バラバラの情報を頭の中で統合するのは大変で、「結局、どんな提案が刺さるのか分からない…」となりがちです。
しかし、2025年11月のGemini Deep Researchのアップデートで、この状況が一変しました。
「Web上に情報がない」中小企業でも、
- 過去のメールやチャット(Gmail)
- 社内の断片的な資料(Google ドライブ)
があれば、Deep Researchが自動で情報を統合し、深い仮説を構築してくれるのです。
しかも、業界の一般的な課題と照合して「この会社は、おそらくこういう課題を抱えている可能性が高い」という推測まで提示してくれます。
これは、CRMがない中小企業の営業担当者にとってまさに救世主であり、またこのGeminiの進化はGoogleの「なんでも検索してやるぞ!」という理念を強く反映させた今後のAIエージェントを含むAI活用法に大きな指針を出したものと言えます。
2. Gemini Deep Researchの進化:「情報がない」を「深い仮説」に変える
従来のDeep Research:Web検索特化型
これまでのGemini Deep Researchは、Web上の公開情報を掘り下げて分析することに特化していました。
たとえば、「◯◯業界の市場規模と成長予測」や「△△社の競合比較レポート」といった、いわゆるマクロな市場調査には非常に強力でした。
ただし、営業担当者が本当に必要としているのは、「明日の商談相手である◯◯社が、どんな課題を抱えているか」「前回の商談で△△さんが言っていた課題は何だったか」といった、ミクロで具体的な情報です。
そして、中小零細企業の場合、Web上にはこういった情報がほとんどありません。
新機能:Gmail・Google ドライブとの連携
2025年11月5日のアップデートで、Deep ResearchはGmail、Google ドライブ(ドキュメント、スプレッドシート、PDF)、Google Chatと直接連携できるようになりました。
これにより、
- Web上の公開情報(業界の一般的な課題、競合の動向)
- 社内の非公開情報(過去の商談メール、提案資料、社内メモ)
を統合して分析できるようになったのです。
最重要ポイント:「情報が少なくても」仮説を構築できる
ここがもっとも重要です。
Deep Researchは、単なる「情報検索ツール」ではありません。
断片的な情報から、「仮説を構築する」ツールなのです。
たとえば、
- Gmailの過去のやり取り:「◯◯の件、検討中です」「予算は厳しいですが…」
- 社内メモ:「前回商談で△△と言っていた」
- 業界の一般的な課題:Web検索で同業界の一般的な課題を調査
これらを統合して分析し、「おそらく、この会社は〜という課題を抱えている可能性が高い」という仮説を構築してくれるのです。
無料プランでも使える(制限あり)
この新機能、実は無料ユーザーでも利用可能です。
ただし、無料プランの場合はGemini 2.5 Flashでのみ1ヶ月あたり最大5件の利用となります(有料プランは2.5 Proで1日あたり最大30件利用可能)。
デスクトップ版では既に利用可能で、モバイルアプリにも近日中に展開される予定です。
多くの企業が利用しているGoogle WorkspaceのBusiness Standardプランであれば、Gemini機能が標準搭載されていますので、1日あたり最大30件のDeep Research利用が可能です。
2025年11月編集部調査:Google AI のサブスクリプションにおける Gemini アプリの使用量上限とアップグレード(Google公式):https://support.google.com/gemini/answer/16275805?hl=ja-JP
3. 実際に検証してみた:Web上に情報がほとんどない不動産会社への商談準備
それでは、具体的にどうやって使うのか。
実際に、Web上にほとんど情報がない地域の不動産会社(従業員30名程度)への商談準備を、Deep Researchで行ってみました。
検証の前提条件
🔹 対象企業
- 地域密着型の不動産仲介業(従業員30名程度)
- Web上の情報:コーポレートページやSNSの更新は熱心だが、プレスリリースなどは配信なし
- 過去のやり取り:Gmailで月に数回メールのやり取りがある程度
- 社内資料:Google ドライブに古いプレゼン資料や議事録が断片的にある
💬 商談の目的
- 年末の近況報告(座談会)
- 具体的な提案ではなく、業界トレンドの情報交換が中心
ステップ1:Deep Researchを起動して情報ソースを選択
- Geminiを開く(デスクトップ版)
- 「Deep Research」モードを選択
- 「ソース」メニューから情報源を選択
- ✅ Google検索(デフォルトで有効)
- ✅ Gmail
- ✅ Google ドライブ

ステップ2:プロンプトを入力
次に、何を調べてほしいかを具体的に指示します。
📌 プロンプト例
3日後、〇〇不動産(不動産仲介業)の役員や社員と商談があります。
Web上にはほとんど情報がありませんが、以下の断片的な情報から、商談準備レポートを作成してください。
【利用可能な情報】
1. Gmailでのやり取り(過去3ヶ月、◆◆様や▲▲様とのメール5通程度)
2. 訪問時のメモやプレゼン資料(Google ドキュメント/Google スライドなど)
3. 同業界(同営業エリアの不動産仲介業)の一般的な課題(Web検索)
【分析内容】
1. メールとメモから、〇〇不動産が抱えている課題を推測
2. 同業界の一般的な課題と照らし合わせて、〇〇不動産に当てはまりそうな課題を特定
3. お二人の性格や意思決定スタイル(メールの文面から推測)
4. 3日後の商談で提案すべきポイント
【出力形式】
- 推測される課題(確度:高/中/低)
- 提案の方向性
- お二人に刺さりそうなトークスクリプト
👉 ポイント
- 「Web上にはほとんど情報がありません」と明記
- 「断片的な情報から」と強調
- 具体的なキーパーソンの名前を記載
- 出力形式を明確に指定
ステップ3:Deep Researchが自動で情報収集(30秒〜3分)
プロンプトを入力すると、Geminiが自動で情報収集を開始します。

👆 実際の挙動
思考プロセス
ドキュメントを検索中
現在、最も関連性の高い情報を特定するために Workspace を検索しています。
ドライブの以下のファイルを読み取り中
* 【〇〇不動産様】リニューアルサイト サイトマップ
* 〇〇不動産様会社案内ページワイヤーフレーム_20220818.pptx
* 【株式会社〇〇不動産様】2025年10月アカウント明細書.pdf
...(合計15ファイル)
Gmail の以下のスレッドを読み取り中
* Re: 【〇〇不動産様】会社概要・お客様の声
* 【〇〇不動産様】会社概要ページのワイヤー内修正依頼
...(合計18スレッド)
コンテンツを分析中
現在、Workspace から収集した重要な情報を統合しています。
✅ 今回の検証結果
- Google ドライブ:15ファイルを自動検出
- Gmail:18スレッドを自動検出
- 所要時間:約1分
ステップ4:リサーチ計画の確認と調整(最重要!)
情報収集後、Deep Researchは詳細なリサーチ計画を提示します。
ここがもっとも重要なポイントです。
Deep Researchは、単に情報を集めるだけではなく、「どのように分析するか」の計画を立て、ユーザーに確認を求めます。
実際に提示されたリサーチ計画(抜粋)
【Deep Researchが立案したリサーチ計画】
(1) 提示されたGmailスレッド(特に2024年3月の「HPご相談」スレッド、2023年8月の「HPについてご相談」スレッド)と、関連するGoogle ドライブのファイル(2025年の「リスティング関連の確認」スレッド、2022年のワイヤーフレーム)を時系列で分析し、〇〇不動産が過去に直面・報告した課題を特定する。
(a) ポータルサイト(SUUMO、Yahoo!不動産)への反響数、反響率の変動(例:2024年3月のSUUMO反響率の低下)、および費用対効果(例:2024年のYahoo!不動産)に関する▲▲様の具体的な報告内容を抽出する。
(b) 広告予算に関する議論(例:2024年の広告費増額の検討、2021年のYahoo!予算のリスティング広告への移行検討)を特定する。
(2) Google検索を使用し、「〇〇県 不動産仲介業 課題」「SUUMO 仲介手数料無料 影響」「不動産 ポータルサイト 依存 リスク」「不動産 MEO対策」といったキーワードで、同業界の一般的な課題と最新の市場動向を調査する。
(3) (1)で特定した〇〇不動産固有の課題と、(2)で調査した業界一般の課題(特にポータルへの依存リスク)を照合し、商談で取り組むべき「推測される課題」を確度(高・中・低)別に分類する。
(a) [確度:高] ポータルサイト(特にSUUMO)への反響依存と、SUUMOの手数料無料化戦略による反響(リード)の質と量の両方における将来的な悪化リスク。
(b) [確度:高] 広告(リスティング、ポータル)の費用対効果(CPA)の悪化、およびROIの可視化に対する強い要求。
(4) 過去の複数のGmailスレッドにおける▲▲様の具体的な依頼内容(数値データに基づくROIの質問、CPA目標の言及)と、◆◆様の懸念(2023年のMEOに関する発言)から、お二人の役割、性格、意思決定スタイルを推測する。
(a) ▲▲様:データドリブン、分析的、ROIとCPAを重視する運用実務の責任者。データに基づいた論理的な提案を好む。
(b) ◆◆様:戦略的、大局的。施策の「実行可能性」と「最終結果(成約)」を重視する経営者。ツール導入よりも、それを現場が使いこなせるかを懸念する。
この計画を見て、驚きました。
Web上にはほとんど情報がない中小企業に対して、過去のメールと社内資料だけから、ここまで深い分析計画を立てられるのです。
さらに重要なのは「修正できる」こと
リサーチ計画を確認した後、「計画を編集」ボタンで方向性を修正できます。
今回の検証では「今回は商談というよりも座談に近い、年末の近況報告の共有がメインになる。具体的なKPI提示ではなく、課題に対する取り組み・模索の共有に変更してください」
と修正したところ、Deep Researchは即座に計画を調整しました。
【修正後のリサーチ計画】
- 具体的なKPI提示 → 業界トレンドの情報交換に変更
- 提案の方向性 → 取り組み・模索の共有に変更
- 「年末の近況報告」に適したトピック例を準備
この対話形式での調整が、Deep Researchの真価です。
単なる情報収集ツールではなく、営業担当者と対話しながら、商談の目的に合わせて分析の方向性を調整してくれるのです。
ステップ5:リサーチを開始(3〜5分)
「リサーチを開始」ボタンを押すと、Deep Researchが本格的な分析を開始します。
👆 実際の挙動
計画の始動:内部情報の探索
年末の近況報告に向け、まずは過去の経緯を正確に把握するため、〇〇不動産様との過去のやり取りや資料の探索から開始します。
外部環境の調査:業界トレンドの把握
同時に、不動産仲介業における2025年の最新トレンドや、同業他社がどのような「取り組みや模索」をしているのかを調査します。
情報の整理と分析:過去のやり取りの確認
皆様との過去のやり取りを時系列で整理しました。
この間、営業担当者は他の作業をしていてOKです。
従来なら60分〜120分かかっていた情報収集が、3〜5分で完了します。
ステップ6:生成されたレポートを確認(驚愕の内容)
Deep Researchが生成したレポートは、想像を超えるクオリティでした。
1. 顧客企業のブランド価値の分析
Deep Researchは、過去のメールと外部のレビューサイトの情報を統合して、「この会社のブランド価値は、『親身な対応(感情的価値)』と『圧倒的な専門性(機能的価値)』の両立にある」という分析を提示しました。
しかも、顧客レビューから具体的な引用まで抽出しています。
顧客からは「親身になってこちらの話を聞いてくれ」「大丈夫ですよ!一つ一つクリアしていけば前に進めます!と励ましてもらえ」といった、顧客の不安に深く寄り添うハイタッチな姿勢が絶賛されています。
また、「売却を決めて1週間も経たずに、売り先が決まりました」「チラシを入れる範囲などきちんとマーケティングされていた結果と感じます」というコメントは、データに基づいた圧倒的な「売却スピード」と「専門性」を証明しています。
これは、営業担当者が手作業で調べても、ここまで深く分析することは困難です。
2. キーパーソン2名の性格・意思決定スタイルの推測
過去のメールの文面から、
- ▲▲様:データドリブン、ROIとCPAを重視する運用実務の責任者
- ◆◆様:戦略的、施策の実行可能性を重視する経営者
という推測を提示しました。
特に、◆◆様については、2021年のサーバー障害時のメール(「休日の早急な対応、流石でございます」)から、「システムの細かな機能性よりも、ビジネスの根幹を成す『安定性』と『信頼性』をもっとも高く評価している」という深い洞察まで提示しています。
これも、営業担当者が自力でここまで推測するのは困難です(ちょっと嫌になってきた…)。
3. 過去の課題の時系列整理
- 2021年12月:サーバー障害(迅速な対応で信頼関係構築)
- 2023年8月:反響数不振(リスティング広告の増額相談)
- 2025年4月:新追客システムの導入(反響の質向上への取り組み)
という時系列を、バラバラのメールから自動で整理しました。
4. 業界トレンドとの照合
Web検索で「不動産業界 2025年 トレンド」を調査し、
- ポータルサイト依存からの脱却
- SNSでの信頼構築(長期的なアプローチ)
- MEO対策の自動化(現場負担の軽減)
という一般的な課題を抽出。
そして、過去のメールから抽出した顧客企業の課題と照合し、「この会社は、おそらくポータルサイトへの依存リスクと、MEO対策の実行負担を懸念している」という仮説を構築しました。
5. 座談会のディスカッションポイント
最後に、「現在のエコシステム(2系統のシステムの役割分担)について、貴社のお考えをお聞かせください」「ブランド資産(親身な対応)を、デジタル戦略で十分に可視化できているとお感じですか?」といった、具体的な質問案まで提示しました。
時短効果と質の向上
⚠️ 従来の手作業
- 過去のメールを読み返す:30分
- 社内資料を探す:20分
- 業界トレンドを調査:30分
- レポートをまとめる:40分
- 合計:120分(2時間)
✅ Deep Research活用
- プロンプト入力:2分
- リサーチ計画の確認・調整:3分
- レポート生成:5分
- 合計:10分
✅ 時短効果:92%削減
しかも、従来の手作業では、
- 「業界の一般的な課題」との照合
- 「キーパーソンの性格推測」
- 「過去の課題の時系列整理」
など、ここまで体系的に整理することは困難でした。
Deep Researchは、時短だけでなく、質の向上も実現しているのです。
4. Deep Researchで「できること」と「できないこと」を正直ベースに
Gemini Deep Researchは非常に強力ですが、万能ではありません。
営業担当者として知っておくべき制限事項と失敗例を共有します。
できること
- Web上の公開情報と社内情報の統合分析:業界トレンド + 過去のメール + 社内資料
- 断片的な情報からの仮説構築:バラバラの情報を統合し、「おそらくこういう課題を抱えている」という推測を提示
- キーパーソンの性格・意思決定スタイルの推測:メールの文面から、相手の関心事や価値観を推測
- 対話形式での方向性調整:リサーチ計画を確認し、商談の目的に合わせて調整可能
できないこと・注意点
1. Web上に情報がない場合、「業界の一般的な課題」しか分からない
当たり前ですが、Web上に情報が全くない場合、Deep Researchは業界の一般的な課題を調査するしかありません。
たとえば「この会社の最新ニュースを教えてください」と聞いても、Web上に情報がなければ「同業界の一般的な動向は〜」という回答になります。
👉 対処法
そもそも、Web上に情報がない中小企業への商談準備では、「最新ニュース」を期待するのではなく、「業界の一般的な課題と、過去のやり取りから推測される顧客固有の課題を照合する」ことに価値があります。
これが今回のアップデートにより可能になったことが大きな利点です。
2. Slack、Chatworkの情報は直接アクセスできない
営業現場では、GmailだけでなくSlack、Chatwork、LINE WORKSなどを併用しているケースが多々あります。
残念ながら、Deep Researchはこれらのツールに直接アクセスできません。
👉 今後を見据えた対処法
重要なやり取りをGoogle ドキュメントを始めとする自身のGeminiが参照しやすい環境にコピペして整理しておく。
※SlackはGmailに転送、ChatworkなどはGASを使ってGoogleChatに転送といった高度な手法もありますが、今回は訪問前にちゃちゃっとやりたい、そんなケースの対処法です。
【◯◯社とのやり取り履歴】
- 2024年10月5日(Slack):「予算は年間200万円以内で検討中」
- 2024年10月12日(Chatwork):「社長が決裁権を持っている」
- 2024年10月20日(LINE):「競合のD社も検討している」
このGoogle ドキュメントをDeep Researchに読ませれば、簡易的に情報を統合でき、推測には十分な材料となります。
あまりにもドキュメントやコミュニケーション情報が散逸していて、阿鼻叫喚といったケースの場合は全てをNotebookLMに一旦投げてしまうというのも手です。
NotebookLMに要約をお願いし、その出力データを再度Gemini Deep Researchに読み込んでもらうという2段階構えです。
3. CRMデータは直接アクセスできない
Salesforce、HubSpotなどのCRMデータも残念ながら直接アクセスできません。
でも、これは逆にチャンスとも言えます。
なぜなら、中小企業の営業担当者の多くは、そもそもCRMを使っていないからです。
- 顧客情報はExcelで管理
- 商談履歴はメモ帳・テキストデータ
- フォローアップは手書きのTo Doリスト
この「情報が散在している」状況こそ、Deep Researchが価値を発揮する場面です。
- Excelの顧客リスト → Google スプレッドシートにコピー
- 手書きメモ → Google ドキュメントに転記
- 過去のメール → Gmailで検索
これらをDeep Researchに投げれば、バラバラだった情報が統合されるのです。
「AIの進化は一部SaaSのビジネスモデルを破壊する」と言われてきましたが、Geminiの進化によりいよいよ現実味を帯びてきました。
Google Workspaceをベースに使っているビジネスパーソンには、普段通りGoogleのワークツールを利用しているだけで、Geminiを通じた擬似的なCMS環境が整いつつあるのです。
4. 古いファイルや無関係なファイルが混入する
今回の検証では、
- 2016年のワイヤーフレーム
- 2012年の住所マスタ
- 別のクライアントの資料
など、古いファイルや無関係なファイルも検出されました。
👉 対処法
まだリリースしたてということもあり、Google ドライブをソースにした場合の検索にはまだ不安定な箇所があるようです。
リサーチ計画の確認画面で「2020年以降のマイドライブのファイルのみを対象にしてください」と指示したり、事前に専用フォルダを作成しておくと、検索精度が上がります。
自身のマイドライブに、先述したNotebookLMのまとめドキュメントや各種レポートまとめなど、概要データを置く習慣をつけておくと、今後はもっと楽になるかもしれませんね。
5. 実際に使ってみた失敗例と改善策
編集部が実際にDeep Researchを使った際の失敗例と、そこから学んだ改善策を共有します。
失敗例1:プロンプトが漠然としていると、当然ながら一般的な業界情報しか出てこなかった
👉 やったこと
株式会社◯◯について調べてください。
⚠️ 結果
Alright読者の方はやらないとは思うのですが…
当然ながら、業界の一般的な課題(「不動産業界はポータル依存が課題」など)が出てきただけで、商談に使える情報は何も出てきません。
✅ 改善策
営業担当者として知りたいことをもう少し具体的に指示する。
株式会社◯◯について、以下を調査してください。
1. 過去のメール(Gmail)から、顧客が抱えている課題を抽出
2. 同業界の一般的な課題と照らし合わせて、◯◯社に当てはまりそうな課題を特定
3. 商談で提案すべきポイント
失敗例2:Google ドライブ内の古いファイルが大量に混入して、分析精度が落ちた
👉 やったこと
Google ドライブの範囲を特に指定しない
⚠️ 結果
- 10年前のファイル
- 別のクライアントの資料
- 商談準備には無関係なファイル
など、大量の無関係なファイルが検出され、分析に時間がかかっていました…Gemini先生ごめんなさい。
⚠️ 原因
Google ドライブ内に古いファイルや無関係なファイルが大量にあり、捜査箇所を未指定。
✅ 改善策
リサーチ計画の確認画面で「2020年以降のファイルのみを対象にしてください」「『〇〇不動産』というキーワードを含むファイルのみマイドライブから絞ってください」と指示する。
この際にマイドライブに「商談準備/〇〇不動産/」など分かりやすい名称で、フォルダやファイルを作っておくと、検索精度が上がります。
失敗例3:最初のリサーチ計画が商談の目的とズレていた
👉 やったこと
プロンプトで「商談準備」と指示したところ、Deep Researchは「具体的なKPI提示」「提案の方向性」を中心としたリサーチ計画を立案。
⚠️ 結果
実際の商談は「座談会」で、具体的な提案ではなく情報交換が中心だったため、リサーチ計画がズレていた…いつもの壁打ち感覚でGemini先生ごめんなさい(2回目)。
✅ 改善策
リサーチ計画の確認画面で「今回は商談ではなく座談会です。具体的なKPI提示ではなく、業界トレンドの情報交換に変更してください」と修正。
Deep Researchは即座に計画を調整してくれました。
この対話形式での調整こそが、Deep Researchの真価です。
6. さらに活用するための応用Tips
Deep Researchの基本的な使い方を押さえたら、次はさらに効率を上げる応用技を試してみましょう。
Tip1:商談後のフォローアップにも使える
商談が終わった後、議事録作成やネクストアクション整理にもDeep Researchが使えます。
本日、株式会社◯◯の△△様と商談を行いました。以下の内容を整理してください。
【商談内容】
- 顧客の課題:〜
- 当社の提案:〜
- 顧客の反応:〜
- 次回までにやること:〜
【調査内容】
1. Gmailから過去の商談履歴を確認し、今回の商談との違いを分析
2. 顧客が言及した「他社事例」について、Web検索で詳細を調査
3. ネクストアクション(提案書作成、追加資料送付)の優先順位付け
【出力形式】
- 商談議事録
- 社内共有用レポート
- ネクストアクションリスト
Tip2:チーム内のナレッジ共有に活用
営業チーム全体でベストプラクティスを共有する際にも有効です。
Google ドライブの「営業_成功事例」フォルダ内の資料を分析してください。
【分析内容】
1. 受注に至った提案のパターン
2. 顧客が決め手にしたポイント
3. 失注した提案との違い
4. 新人営業が学ぶべきポイント
【出力形式】
- 営業チーム向けのベストプラクティスガイド
Tip3:業界トレンドの定期レポート作成
毎週・毎月の業界トレンドレポートを自動生成できます。
過去1ヶ月の◯◯業界に関する最新ニュース、競合の動き、規制変更をまとめてください。
【調査内容】
1. 主要メディア・業界専門誌のニュース
2. 競合3社(A社、B社、C社)のプレスリリース
3. 業界団体の発表
4. SNSでのトレンド
【出力形式】
- 営業チーム向けの週次レポート
- 重要度順に並べる
- 各ニュースに対するコメント(営業への影響)を付ける
7. まとめ:「情報がない」は、もう言い訳にならない
Gemini Deep Researchの進化により、営業担当者の商談準備は大きく変わります。
- 従来:「Web上に情報がない」= 商談準備が困難
- 新時代:「断片的な情報があれば」= Deep Researchが仮説を構築してくれる
これは単なる「時短」ではなく、営業活動の質の向上につながります。
過去のメール、社内資料、Web上の業界トレンドを統合して、「顧客にとって本当に価値のある提案は何か?」をデータに基づいて考えることができるようになったのです。
これで商談前の夜や当日朝の「準備が間に合わない…」というパニックから解放されますね。
情報収集に費やしていた時間を、今後はより顧客との対話や提案の質向上に使えるようになるのではないでしょうか。
結局のところ、営業の成果は「どれだけ調べたか」ではなく、「どれだけ顧客の課題を理解し、適切な提案ができたか」で決まります。
Deep Researchは、そのスタートラインに早く立つためのツールです。
そして、「Web上に情報がない」中小企業への商談準備こそが、Deep Researchの真価が発揮される場面なのです。
Googleの本気が感じられる今回のアップデート、Deep Researchを試しながら、各種情報をWorkspaceに整理集約することもお忘れなく!
👉 今日から始める3ステップ
- Geminiにアクセス(無料プランでOK)
- Deep Researchモードを選択
- 明日の商談相手について調べてみる
無料相談














