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CRM不要。Gmailとスプレッドシートで始める解約・更新ログAI分析

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1. イントロ:AI分析の「新しい視点」 —— 予測から構造学習へ

「AIで解約予兆を予測する」「チャーンレート(解約率)を下げるためにAIを活用する」

こうした言葉が飛び交う中、多くのチームがAIによる「未来の予測(Prediction)」に大きな期待を寄せています。
しかし、高価なCRM(顧客管理システム)や専門のAIツールを導入しなければ、それは実現困難な「遠い未来の話」だと感じてはいないでしょうか。

ですが、本当に価値のあるデータは、未来ではなく「確定した過去」にあります。

顧客が「更新します」と連絡をくれたGmail。
あるいは「今月で解約します」と伝えられたGoogle ドキュメント上の議事録メモ。

これらは実は単なる結果報告ではありません。
AIの視点から見れば、顧客との関係性が「なぜ継続し、なぜ途絶えたのか」を示す、もっとも生々しく、価値のある「関係学習データ」です。

本記事の目的は、AIを使って「なぜ解約されたか」という原因(Reason)を必死に探ることではありません。

重要なのは、「なぜあの顧客は契約を更新してくれたのか」というポジティブなデータと、解約データとをAIで比較分析し、その差分(Difference)を明らかにすることにあります。

AIの本当の役割は、「未来の予測」や「犯人探し(原因特定)」ではなく、顧客との関係性を維持・発展させるための「構造(Structure)」そのものを学習することにあります。

本記事では、専用ツールを一切使わず、多くの方々にとって日々の業務基盤であるGoogle Workspace(Gmail, ドキュメント, Forms, スプレッドシート)とGeminiだけを使い、「確定した過去」のログから「関係維持の構造」を読み解き、次の改善アクションに繋げる実践的な手法を解説します。

2. あなたの「解約ログ」はどこにあるか?

さて、AIで「関係学習データ」を分析するといっても、多くのチームにとって最初の壁は「分析すべきデータが、そもそも存在しない(あるいは、どこにあるか分からない)」ことです。

高価なCRMやMAツールを導入していれば、顧客の行動ログやステータスは一元管理されているかもしれません。
しかし、本記事の前提は「Google Workspaceだけで戦う」チームです。

その場合、貴重な「更新」や「解約」のログは、どこにあるでしょうか?

  • 顧客から直接届いたGmailの受信トレイ
  • 営業担当者が走り書きしたGoogle ドキュメントの議事録
  • CS担当者が個別にメモしているスプレッドシートの(属人化された)管理表

データは「専用フォーム」に綺麗に蓄積されているのではなく、日々の業務の中に「テキスト」として散在しているのです。

一見、これらは分析しようのない、ただの「非構造データ」に見えます。
しかし、これこそがAI分析のスタートラインとなる「原石」です。

重要なのは、これらの散在した情報を「AIが読める形」に集約し、構造化すること。
次のセクションから、その具体的なステップを見ていきましょう。

3. Geminiが読み解く「関係維持の4階層」

Gmailの本文やドキュメントの議事録(非構造データ)を、AIが分析可能な形(構造化データ)にする。
そのために、本記事では「関係維持の4階層」というシンプルな分析フレームワークを提案します。

階層階層名分析の視点(何を見るか?)タグ付けのルール(例)
1Emotion顧客の感情的な反応単一の感情タグ(例:満足, 不満)
2Reason感情の具体的な原因項目:内容形式(例:価格:高い, サポート:満足)
3Timeline接点のタイミングや頻度項目:内容形式(例:接点:月1回, 契約:3年目)
4Org関係者(社内・社外)役割:名前形式(例:自社CS:佐藤, 顧客担当:A氏)

AI、特にGeminiは、単なるテキストを以下の4つの要素(タグ)に分解して読み解くことを得意としています。

1. Emotion(感情)

顧客が更新・解約に至った背景にある「感情」です。

  • タグ例:[満足], [不満], [期待], [無関心], [感謝]
  • 分析例:「解約グループは[不満]だけでなく、[無関心]の割合も高い」

2. Reason(要因)

感情を引き起こした具体的な「理由」です。

  • タグ例:[価格:高い], [機能:不足], [サポート:満足], [成果:出た], [担当者:変更]
  • 分析例:「更新グループは[サポート:満足]が突出して多い」

3. Timeline(時系列・頻度)

いつ、どのタイミングで、どれくらいの頻度で接点があったか。

  • タグ例:[接点:月1回], [接点:なし], [導入支援:あり], [契約:3年目]
  • 分析例:「解約グループは[接点:なし]が半数を占める」

4. Org(組織・担当者)

誰が(顧客側・自社側)関係していたか。

  • タグ例:[顧客担当:A氏], [自社CS:佐藤], [決裁者:部長]
  • 分析例:[自社CS:佐藤]が担当した顧客の更新率は高い」

重要なのは、このフレームワークが「解約ログ(例:価格への不満、接点なし)」だけでなく、「更新ログ(例:手厚いサポート、定例会の実施)」の分析にも全く同じように適用可能であるという点です。

競合他社やAIツールの多くが「解約理由(Reason)」というの分析に終始する中、この4階層でログを捉え直すことで、顧客との関係性を構造として理解する準備が整います。

4. CRM不要!「Gmail」から始めるログ構造化テンプレート

セクション2で「ログはGmailやドキュメントに散在している」と述べ、セクション3で「4階層のフレームワーク」を提示しました。

ここで、多くの方がこう考えるかもしれません。
「散在しているのは分かった。しかし、過去の膨大なメールや議事録を探し出し、整理するのは現実的ではない…」

ご安心ください。
AI分析は、過去のログ全てを完璧に集めることから始める必要はありません。

重要なのは、

  1. まず、AIが読み込める「データベースの箱」を作ること。
  2. そして「今日(あるいは今週)発生した1件のログ」から入力を始めること。
    です。

過去の膨大なデータは後回しでも構いません。
「これから発生するログ」を確実に蓄積する仕組みを作ることが、AI活用の第一歩です。

このセクションでは、CRM不要、Gmailのコピペから始める「ログ構造化テンプレート」を、3つのシンプルなステップで解説します。

ステップ1:【箱づくり】 社内入力用の「Google Forms」を作成する

まず、AI分析の「箱」となるGoogle Formsを作成します。

⚠️ 注意点

これは顧客に送るアンケートではありません。
Gmailやドキュメントに散在するログを、社内の営業・CS担当者が「コピペ入力」するためのデータベースです。

セクション3の「4階層」を意識し、以下のような項目を設定します。

📌 フォーム作成例:顧客関係ログ(更新・解約)データベース

1. **顧客名:**[記述式]
2. **ステータス:**[選択式]( `更新`, `解約` )
3. **ログ本文(コピペ欄):**[段落]
  - ※Gmailの本文、ドキュメントのメモなどをそのまま貼り付ける場所
4. **発生日:**[日付]
5. **自社担当者(Org):**[選択式]( `佐藤`, `鈴木`, `高橋` )
6. **(任意)所感メモ:**[記述式]
  - ※担当者が感じたこと(Emotion)や背景(Reason)を補足

ポイントは、担当者の負担を最小限にすることです。
詳細なタグ付け(Emotion, Reason)は、次のステップでGeminiに任せます。
担当者は「顧客名」「ステータス」「本文コピペ」を埋めるだけで良いという簡潔なルールにしましょう。

ステップ2:【入力】 GmailからFormsへ「コピペ」する運用ルール

次に、このFormsをチームで運用します。

「顧客から更新・解約の連絡(あるいはそれに準ずるメモ)が発生したら、必ずステップ1のFormsに入力(コピペ)する」

このシンプルなルールを徹底するだけです。
Formsの回答先を「新しいスプレッドシートを作成」に設定すれば、自動的にGoogle スプレッドシートにデータが蓄積され始めます。

ステップ3:【自動化】 Gemini in Sheetsで「自動タグ付け」

ここからが本題です。
ステップ2で作成されたスプレッドシートを開くと、以下のようになっているはずです。

タイムスタンプ顧客名ステータスログ本文(コピペ欄)発生日自社担当者
A社解約「価格面で折り合いがつかず…」佐藤
B社更新「サポートが手厚く助かった…」鈴木

この「ログ本文(D列)」という非構造データを、Geminiを使って「4階層」のタグに自動で構造化します。

新しい列(G列、H列)を追加し、=GEMINI() 関数(またはGeminiサイドバー)を使って、以下のようなプロンプト(指示)を実行します。

📌 G列(Emotionタグ)のセルに入力する関数例

=GEMINI("セルD2のテキストから、顧客の感情として最も近いものを[満足, 不満, 期待, 無関心, 感謝]から1つだけ選んでください。")

📌 H列(Reasonタグ)のセルに入力する関数例

=GEMINI("セルD2のテキストから、主な要因を[価格, 機能, サポート, 成果, 担当者]から1つ選び、[高い, 不足, 満足, 出た, 変更]などの状態と組み合わせて「項目:内容」形式で答えてください。例:価格:高い")

この関数を下の行にオートフィル(コピー)するだけで、Geminiが全ての「ログ本文」を読み解き、自動で「Emotionタグ」と「Reasonタグ」を付与していきます。
※Timeline, OrgはForms入力時点である程度構造化されています。

これで、高価なCRMがなくても、Gmailのコピペから始まったデータが、AI分析可能な「構造化データベース」へと変換されました。

5. Geminiによる「差分」の発見と「知識化」

セクション4で、Gmailのコピペから始まった非構造データが、AI(Gemini)によって分析可能な「構造化データベース(スプレッドシート)」に変わりました。

しかし、分析のゴールはレポートを作ることではありません。
その分析結果から「再現可能な知見」を抽出し、組織の「知識」へと昇華させることです。

ここが本記事の核となります。
このセクションでは、スプレッドシートに蓄積されたデータを「差分分析」し、それをGoogle ドキュメントで「知識化」する2つのステップを解説します。

ステップ1:【差分分析】 Geminiサイドバーで「更新」と「解約」を比較する

=GEMINI()関数が行ごとの「タグ付け(構造化)」を得意とするのに対し、データ全体の「傾向分析」はGemini in スプレッドシート(サイドバー)の独壇場です。

スプレッドシートのサイドバーでGeminiを起動し、作成したデータベース全体(あるいは分析したい範囲)を選択した状態で、以下のようなプロンプトを投げかけます。

ここでの目的は、「更新グループ」と「解約グループ」の決定的な差分を発見することです。

📌 プロンプト例1:更新と解約の「差分」を発見する

「'ステータス'列が'更新'のグループ」と「'ステータス'列が'解約'のグループ」

上記2つのグループで、'Reasonタグ'列(H列)の出現頻度をそれぞれ比較し、もっとも差が大きい要因トップ3を教えてください。

📌 プロンプト例2:成功パターン(更新)の共通項を探る

「'ステータス'列が'更新'のグループ」に共通して出現する、'Emotionタグ'(G列)と'Reasonタグ'(H列)の「最も多い組み合わせ」を教えてください。

Geminiは、「解約グループはReason:価格:高いが40%を占めるのに対し、更新グループはReason:サポート:満足が55%を占める」といった明確な「差分」や「共通項(パターン)」を提示してくれます。
これが「知見のタネ」です。

ステップ2:【知識化】 Gemini in Docsで「CSプレイブック」に構造化する

ステップ1で得た「知見のタネ(=Geminiの分析結果)」を、スプレッドシート上に放置してはいけません。
チーム全員がいつでも参照できる「知識」として定着させます。

ここで Google ドキュメントの出番です。

  1. スプレッドシートのGeminiサイドバーから、得られた分析結果(例:「更新顧客はサポート満足度が鍵」)をコピーします。
  2. Google ドキュメントで新規ドキュメント(例:『CSチーム・成功パターン集』)を開きます。
  3. Gemini in Docs(サイドバーまたは @gemini)を起動し、コピーした分析結果を貼り付け、以下のように指示します。

📌 プロンプト例:分析結果を「知見(プレイブック)」に構造化する

以下の分析結果(ファインディング)に基づき、私(CS担当者)が明日から使える『再現可能な成功パターン』として、[顧客の状況][推奨アクション][期待される結果] の3項目でまとめてください。

## [ここにスプレッドシートで得た分析結果を貼り付け]
例:
・分析結果:更新顧客の55%が「Reason:サポート:満足」のタグを持つ
・分析結果:解約顧客の40%が「Timeline:接点:なし」のタグを持つ

Geminiは、単なる分析結果を、チームの行動指針(プレイブック)へと再構成してくれます。

📌 Geminiによる「知識化」の出力例

[顧客の状況]

  • 契約更新が近いが、最近接点が持てていない(Timeline:接点:なし)顧客

[推奨アクション]

  • 「最近お困りごとはありませんか?」という能動的なサポート連絡を入れる。
  • 過去の(あるいはB社の)成功事例を共有し、活用を促す。

[期待される結果]

  • 顧客のEmotion:満足を引き出し、Reason:サポート:満足というタグが付与されるような関係性を構築し、契約更新に繋げる。

これで、Gmailのコピペから始まったログが、分析(過去)を超え、チームの具体的なアクション(未来)を導く「知識」へと変わりました。

6. 改善サイクルへの還元 —— 構造学習から未来の行動へ

セクション5で、Gmailのコピペから始まったログが、分析され、チームの「知識(CSプレイブック)」へと昇華しました。

しかし、Google ドキュメントにどれほど素晴らしいプレイブックが蓄積されても、それが読まれず、未来の行動に反映されなければ、分析は自己満足で終わってしまいます。

このセクションは、AI分析サイクルの最終ステップです。
「過去」の分析を、「現在」の顧客への具体的なアクションに繋げ、改善サイクルを回します。

「成功の鍵」を、他の顧客に横展開する

セクション5の分析で、私たちは以下のような「知見のタネ」を得ました。

  • 成功の鍵(更新要因): Reason:サポート:満足
  • 失敗の鍵(解約要因): Timeline:接点:なし

この「知識」を、まだ解約も更新もしていない「現在契約中の顧客」に活かしてこそ、AI分析の価値が最大化されます。
これを「知見の横展開」と呼びます。

📌 具体的なアクションプラン

  1. (もし存在するなら)既存の顧客リスト(スプレッドシート)を開きます。
  2. そのリストに「最終接点日」や「CS担当者」の列があるか確認します。(なければ、この機会に最低限の情報を整備します)
  3. セクション5で得た「失敗の鍵(Timeline:接点:なし)」に基づき、顧客リストにフィルターをかけます。
  • 例:「最終接点日から3ヶ月以上経過している顧客」を抽出
  1. 抽出された「(解約予備軍かもしれない)顧客リスト」に対し、セクション5で作成したCSプレイブック(推奨アクション)を実行します。
  • 例:「最近お困りごとはありませんか?」という能動的なサポート連絡を入れる。

これが、本記事が提唱する「構造学習」のゴールです。

高価なAIツールで「解約確率90%」といった予測に怯えるのではありません。
私たちが日々蓄積した「ログ(過去)」から学んだ構造(例:接点がない顧客は離れやすい)に基づき、未来の行動(例:接点がない顧客に連絡する)を変えるのです。

「構造」を学び、行動を改善し続けること。
それこそが、ツールに頼らずとも実現できる、もっとも効果的でローコストな「解約抑止」であり「LTV(顧客生涯価値)向上」に繋がる道筋です。

7. まとめ:「解約もまた学習ログ」 —— AIと共に構造を更新する時代へ

本記事では、高価なCRMや専門ツールを一切使わず、Google Workspace(Gmail、Forms、スプレッドシート、ドキュメント)とGeminiだけで「契約更新・解約ログ」を分析する実践的な手法を解説しました。

多くのAI分析が「未来の予測」を目指す中、私たちが焦点を当てたのは「確定した過去」です。

「解約」というネガティブに見える結果も、「更新」というポジティブな結果も、AIの視点から見れば等しく「顧客との関係学習データ」です。

そのログがGmailの受信トレイに散在していても構いません。
まず社内用の「Google Forms」というを作り、1件のコピペから始める。
=GEMINI()関数が、その「非構造テキスト」を「4階層のタグ」へと自動で構造化してくれます。

そしてもっとも重要なのは、Geminiサイドバーで「更新」と「解約」の差分を発見し、それをGoogle ドキュメントに「CSプレイブック(知識)」として蓄積・更新することです。

「解約ログ」は、顧客との関係の終わりを示すものではなく、次の顧客との関係をより良くするための始まりのデータです。
AIと共に顧客関係の「構造」を学び、更新し続ける。その第一歩を、今日のGmailから踏み出してみませんか。

💬 最終チェック

以下のチェックリストを、あなたの「顧客ログ分析」の仕組みづくりの起点として確認してみてください。

  • ☐ Gmailやドキュメントに散在するログを、Google Formsという「社内用の箱」に集約する運用ルールができているか?
  • ☐ 蓄積するログを、Emotion/Reason/Timeline/Org の「4階層」で構造化する視点(スプレッドシートの列)が用意できているか?
  • ☐ スプレッドシート上で、Geminiを使い「更新」と「解約」の差分分析を行えているか?
  • ☐ 分析結果を、Google ドキュメントに「CSプレイブック(再現可能な知識)」として蓄積・更新できているか?

これらが整えば、あなたのチームはすでに「AIと共に顧客関係の構造を更新し続ける組織」へと進化しています。

🧩 3秒まとめ

観点内容
思想解約ログは「結果(終わり)」ではなく「関係学習データ(始まり)」へ。AIと共に顧客理解の構造を更新し続ける。
実務Formsで収集→スプレッドシート (Gemini)で構造化・差分分析→ドキュメント (Gemini)で知識化(プレイブック作成)。
行動まずはGoogle Formsの「箱」を作り、今日の「Gmail 1件」をコピペ入力してみる。
中小企業への営業アプローチが激変 Gmail・ドライブ連携Gemini Deep Research活用術
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Alright編集部

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