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Geminiで数百万のSFAを攻略せよ。Deep Research×ジョブ理論の「一点突破ジャイキリ」リサーチ術

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1. はじめに:巨人と向き合わねばならない時が我々にはある(しかも割と頻繁に…)

「正直、機能でも価格でも、あの会社には勝てない…」
「比較表を作れば作るほど、自社の負けが証明されていく…」

営業やマーケティングの現場にいると、そんな「絶望的なコンペ」に直面することが多々あります。
相手はSalesforceやHubSpotのような業界の巨人(ガリバー)。
対する自社は、名もなき国産ツールや、機能が限られたニッチなサービス。

まともに戦えば、勝率は限りなくゼロに近いでしょう。
しかし、だからといって指をくわえて見ているわけにはいきません。

もしあなたが、「今、竹槍で巨人に挑まなければならない」状況にあるなら、この記事はあなたのためのものです。

今回は、Geminiの代表的な機能「Deep Research」と、マーケティングの強力な武器「ジョブ理論」を掛け合わせ、圧倒的格上の競合相手から、一点突破で勝利をもぎ取るための「逆転の競合分析術」を解説します。

単純な「機能比較」やSWOT、3Cといった基礎フレームワークだけでは突破口を開けそうにない。
そんなときでも諦めることなく、AIを使って、一緒に巨人の「死角」を見つけ出しに行きましょう。

2. 導入:巨人に「竹槍」で挑んでいませんか?

敗北が確定する瞬間

相手がSalesforceのような「全部入り」のツールである場合、もっともやってはいけないことは何でしょうか?
それは、「機能比較表(○×表)」の比較という相手の土俵に乗ることです。

顧客から「〇〇機能はある? ××機能は?」と聞かれ、正直に「ありません」「できません」と答えていく。
そして最後に提出する比較表には、相手には「○」が並び、自社には「×」や「△」が並ぶ。

これでは、自ら「私たちは劣っています」と証明しているようなものです。
この土俵に乗った瞬間、あなたの負けは確定します。

勝機は「土俵の外」にある

土俵を避ける、もしくは土俵を壊す必要があるわけですが、では、どうすればいいのか?
ここで思い出すべきなのが、XやThreadsでも時々流れてくる、あのセオドア・レビットの名言です。

顧客は4分の1インチのドリルが欲しいのではない。4分の1インチの穴が欲しいのだ

これをSFA(営業支援ツール)に置き換えてみましょう。
顧客は本当に「Salesforce(ドリル)」が欲しいのでしょうか?
違います。
顧客が欲しいのは、「日報入力が完了すること(穴)」や「案件の進捗が見えること(穴)」です。

ジャイアントキリングを達成するには、ここに賭けましょう。
土俵を避けるために、視点を変えさせる必要があるわけです。

機能(ドリル)のスペックでは負けていても、「その用事(穴)を片付ける能力」においてなら、シンプルで特化型のツールの方が勝っている(十分だ)場合があるからです。

これを体系化したのが、クリイトン・クリステンセンの「ジョブ理論(Jobs to be Done)」です。
顧客が製品を「雇用(Hire)」するのは、何らかの「ジョブ(片付けたい用事)」を解決するためである、という考え方です。

今回は、Gemini Deep Researchを使って、この「真のジョブ」をネットの海から探し出し、巨人のアキレス腱を突く戦略を立てます。

3. ステップ1:Deep Researchに「真のジョブ」を予言させる

通常、顧客の「真のジョブ」を見つけるには、綿密なヒアリングが必要です。
しかし、Deep Researchを使えば、ヒアリングの前に「この顧客はおそらく、このジョブで困っているはずだ」という精度の高い仮説(予言)を作ることができます。

なぜなら、Web上には「巨人を導入したけれど、失敗した数多の企業」の悲鳴(口コミ、失敗事例、Q&A)が溢れているからです。
それらを分析すれば、「高機能ツールでは解決できなかったジョブ」=「自社が狙うべきジョブ」が見えてきます。

✅ コピペで使える「ジョブ探索プロンプト」

以下のプロンプトをGemini(Deep Researchモード)に入力してください。
ポイントは、成功事例ではなく「失敗事例や「現場の不満**」に焦点を当てさせることです。

📌 プロンプト例

以下のターゲット属性に近い企業において、シェア率の高い〇〇のような高機能SFA/CRMを導入したものの、**『定着せずに失敗した事例』**や**『現場の悲鳴(口コミ・不満)』**をDeep Researchで徹底的に探してください。
可能であれば、ITreview、X(旧Twitter)、Reddit、個人のブログなどの『ユーザーの生の声』が含まれるソースを優先的に探してください。

**ターゲット属性**:
- 従業員数:50〜100名
- IT体制:専任担当者なし(総務が兼任)
- 営業スタイル:ルート営業中心、50代ベテランが多い

**探してほしいインサイト**:
1. 彼らがSFA導入で本当に片付けたかった『用事(ジョブ)』は何だったのか?(例:高度な予実管理をしたかったのか? それとも単に日報を出してほしかったのか?)
2. なぜ高機能ツールではそのジョブが解決できなかったのか?(入力項目が多すぎた? スマホで完結しなかった? 設定が難しすぎた?)
Gemini Deep Research プロンプト例

4. ステップ2:AIが見つけた「巨人の死角」

Deep Researchを実行すると、AIは検索エンジンを自律的に使いこなし、導入事例インタビューの裏話や、情シス担当者の愚痴ツイート、IT系掲示板の相談などを掘り起こしてきます。

そこから見えてくるのは、カタログスペックとは全く異なる「現場のリアル」です。

Gemini Deep Research 思考プロセス

📊 出力結果のイメージ(AIの回答例)

Geminiは、例えば以下のようなインサイトを見つけてくるでしょう。

🎯 失敗の真因:
「多機能すぎて、営業担当が『どの項目に入力すればいいか分からない』と混乱した。結局、必須項目を埋めるためだけに帰社して残業が発生し、反発を買って形骸化した」

🛠 運用コスト:
「ちょっとした項目の変更にもコンサルタントへの依頼が必要で、費用がかさむため、初期設定のまま放置されている」

Gemini Deep Research 出力レポート

🔍 「真のジョブ」の特定

これらの情報から、このターゲット企業における「真のジョブ」が浮き彫りになります。

建前のジョブ:
「DXによるデータドリブン経営」(経営層の言葉)

本音のジョブ(真のジョブ):
スマホで3分で報告を終わらせて、早く帰りたい」(現場の本音)

この「スマホで3分で終わらせる」というジョブの土俵においてのみ、シェア率の高い〇〇の「多機能さ」は「邪魔なノイズ」となり、あなたのツールの「シンプルさ」は「最強の武器」に変わります。

5. ステップ3:TOWS分析で「一点突破」の論理を組む

勝てる土俵(ジョブ)が見つかりました。
最後に行うべきステップは、リサーチ結果を説得力のある提案に落とし込むための「論理構築」です。

ここでは読者のみなさんにもおなじみのTOWS分析(クロスSWOT分析)を使いますが、一般的な「強み・弱み」ではなく、「ジョブ解決能力」に絞ってAIに分析させます。
以降の作業は、Deep Researchのスレッドではなく、新規スレで通常の思考モードで行って大丈夫です。
Deep Researchのレポート結果を添付しつつ、壁打ちベースで進ましょう。

✅ コピペで使える「対・巨人専用TOWSプロンプト」

Deep Researchの結果をコピペした新しいスレッドで、以下の指示を投げます。

📌 プロンプト例

調査結果を基に、以下の論理でクロスSWOT分析を行い、提案書の骨子(バトルカード)を作ってください。

**【脅威(競合の多機能さ)× 強み(自社のシンプルさ)】**:

競合の『多機能さ・カスタマイズ性』は、この顧客の『スマホで3分で報告したい』という真のジョブに対しては**『阻害要因(入力項目のノイズ・設定の複雑さ)』**であると定義し直してください。

逆に、我々の『機能の少なさ』こそが、このジョブを最速で解決するために**『あえて削ぎ落とされた最適解』**であると証明するロジックを組んでください。

**【殺し文句(クロージング)】**:

『将来いつか使うかもしれない多機能』ではなく、『明日の現場が確実に楽になるシンプルさ』を選びませんか?という、決裁者の心に刺さるメッセージを作成してください。

🌟 生成される「勝ち筋」のロジック

AIは、以下のような強力なロジックを生成してくれるはずです。

リフレーミング(意味の転換):

  • 「機能が少ない」 → 「迷わせないUI
  • 「拡張性がない」 → 「専任担当者不要のメンテナンス性

提案の骨子:

  • 「御社の課題は『機能不足』ではなく『定着不足』ではありませんか?」
  • 「他社で失敗した理由は『高機能すぎたから』です。同じ轍を踏まないために、まずは『確実に入力できる』我々のツールから始めませんか?」

6. 結論:AIを使って「戦う場所」を変えろ

競合分析とは、相手のスペックを調べて「負け」を確認する作業ではありません。
また、有能なセールス・マーケターの多くは、相手のウィークポイントを蔑むようなプレゼンは好きではないでしょう。

圧倒的巨人を相手にする際には、相手の強みこそが視点を変えれば「弱点」になる、そんな自分だけの「勝ち場所(ジョブ)」を見つける作業こそが必要です。

Gemini Deep Researchは、あなたの意思をキャッチアップし、その「勝ち場所」のヒント(失敗事例や悲鳴)をWebの深層から執念深く探し出してくれます。

  • 正面突破: 竹槍 vs 巨人(勝率0%)
  • ジョブ理論×Deep Research: 「入力定着」という局地戦 vs 動きの鈍い巨人(勝率50%以上)

もしあなたが「勝てない」と諦めかけている案件があるなら、一度Deep Researchに聞いてみてください。
「この巨人が負けるとしたら、どんな理由ですか?」と。
最新のGeminiモデルを搭載したDeep Researchは、単に検索するだけでなく、その思考プロセスも丁寧に開示してくれます。

AIが提示する「巨人の死角」は、あなたの営業戦略を劇的に変えるはずです。

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